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原山建郎氏の連載コラム


 日本の「良医」を代表するひとり、鳥取市・野の花診療所院長・徳永進さんは、40 数冊あまりの著書があるノンフィクション作家でもある。かつて健康雑誌『わたしの健康』の編集記者だった私は、1982 年2 月に上梓された『死の中の笑み』(徳永進著、ゆみる出版)を読んだ。そして当時、鳥取赤十字病院内科部長だった徳永さんをお訪ねして、1983 年『わたしの健康』1~12 月号までの 1 年間、医療コラム『形のない家』の執筆をお願いした。初めての著書『死の中の笑み』は、1982 年の第 4 回講談社ノンフィクション賞を受賞している。ちなみに、その第1 回(1979 年)では、『がん回廊の朝』(柳田邦男著、講談社)、『日本共産党の研究 上下』(立花隆、講談社)が受賞しており、ノンフィクション作家の登竜門ともいえる文学賞である。

 徳永さんが綴る文章は、生身のからだ(身心)からあふれ出る〈思い〉、医療現場でかわされる〈いのち〉のことば、その一つひとつが、それを読むすべての医療者(医師、看護師、鍼灸師、介護士、薬剤師、栄養士、理学療法士、検査技師など医療・介護にかかわるすべての対人援助職=ケア・ギバー)、そして患者とその家族の、からだ(身体)とこころ(心)、たましい(魂)に、じんわり沁みわたる。


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