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研究センターのあゆみ

開業ナース集団の活動があったから


 私が、在宅看護研究センターの活動を知ったのは、「元婦長ら4人でセンター設立」の新聞記事を読み、センターが企画するセミナーに参加したのがきっかけでした。その後、私はスタッフの一員として11年間活動を共にしました。


 代表である村松静子は、病院のICU設立時の看護婦長・看護短大講師・訪問看護のボランティアと活動を続け、1986年に「在宅看護研究センター」を設立してからは、組織のトップとして私たちナース集団を率いてきました。ボランティア時代を含めると、およそ20年間在宅の場で看護を追究してきたことになります。高齢化・少子化が進み、医療・福祉をめぐる状況が変化し、様々な制度の転換期の時代に、その活動は、看護のみではなく、医療・福祉を変える一人として、教育者として、起業家としての幅広いものと私には映りました。時代の節目に、草分けとしての役割を果たしてきたこれらについては、数多くの掲載記事と写真が物語っています。


 一スタッフとしての私が、在宅看護研究センターの活動を語ることは、単に所属した組織の足跡を残したいという思いだけではなく、看護にこだわり看護の原点をみつめながら、看護の自立をめざして挑戦し続けるその変遷を何らかの形で多くの方に伝えたいと考えたからです。


 未だ看護は、法律的にも経済的にもその自立には険しいものがあります。しかし、看護にこだわり続けたエネルギーを、ナース集団として継続してきた多くの活動を、これからの時代を担うナースたちに知ってほしい。


 そして、ナースは今後、何に向かってどう活動をすすめるべきなのかを考える一助にしてほしい。医療と祉は、担い手と受け手の相互関係があって成立します。よりよい社会システムの構築をめざすのに、在宅看護活動の変遷が関連職や一般の方々にも参考にしていただければ幸いに思います。


                                  


                在宅看護研究センターひだ   代表  細井 恵子

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