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リハビリは、新しい人生をつくること

 本日(11月8日)アップの連載コラム「つたえること・つたわるもの」№148は、『リハビリテーションは、新しい人生をつくることなんです。』です。  

 今回のコラムも、前回のコラムと同じように、やはり21年前に購入した季刊誌、『環』(vol.7、藤原書店、2001年)の特集企画、〈シンポジウム〉「生命のリズム――倒れてのちに思想を語る」をとりあげました。メインテーマは「回生」、キーワードは「歩く稽古、稽古、又、稽古」、「目的指向的アプローチ」です。  重要なトピックは、脳卒中後遺症からみごとに「回生」を果たした社会学者、鶴見和子さんの【「回生とは、一旦死んで命甦(いのちよみがえ)る。それから魂を活性化する。そしてその活性化された魂によって、新しい人生を切り開く。」回生は回復ではない】【リハビリテーションと踊りというのは、すごい親近性がある。稽古、稽古、又、稽古なんです。同じことをやってるんじゃない。毎日違う。そして出来ないと思っていたことが、やっているうちにぱっとできて、自分の型が出来るんです。それこそ創造なんです】ということばです。  もうひとつは、リハビリテーション医学の専門医、上田敏さんが「目標指向的・積極的リハビリテーション」プログラムにとり組んだ理由として、【リハビリテーションは、人生を回復することなんです。回復といっても、昔の人生をそのまま回復することではない。むしろ新しい人生を作ることなんです。】【リハビリテーションがやることは何かっていうと、マイナスを減らすだけではない。むしろプラスを増やすものです。この両方がリハビリテーションなんです。実はプラスを増やすことのほうが、やれることが沢山ある】と指摘していることです。  また、野口三千三さんが高著『野口体操 おもさに貞(き)く』の中で提起した【「からだを動かすことは苦しいことであり、辛いことである」ということを徹底的に教え込むという結果になってはいないか】という問いも、ともするとルーチーン・ワーク(定型的作業)になりやすい、病院や高齢者施設におけるリハビリテーションの現場で、しっかり受け止めるべき重要な課題であると思います。  そして、コラムの最後に以下のようなことを書きました。  その昔、よく用いられた医学用語「ムンテラ(Mund Therapie)」(ドイツ語=ムント・テラピーを約めた略語)を、英語(日本語)に直訳すると「マウス(口=ことば)・セラピー(治療)」となります。真の良医のホリスティック(全人的)なセラピー(治療)には、患者の「こころ」に生きる勇気を引き出す「ことば」を用いて、孤独で不安な患者の「からだ」をゆるめ・ほぐす「魔法のちから」があります。


お時間のあるときにお読みください。

☆原山建郎☆

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