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本当の看護婦として私たちを助けてください

 「残しておきたい7人のコラム」から、村松静子さんの「起業家ナースのつぶやき」を紹介しています。今回は「看護の自立をはばむもの・その2」です。

vol. 5

看護の自立をはばむもの・その2 

2001-11-21


 『あなたたちのなさることは大事なこと。看護婦さんは医師のかばん持ちではありません。もっと、本当の看護婦として私たちを助けてください』


 療養者を抱える家族の言葉に、私の迷いは吹っ切れた。「もし私の行おうとしていることが間違いなら、続くわけがない。もう前へ進むしかない。やるしかない」と。


 同僚や先輩からの批難の声を背に受けながらも第一関門はどうにかくぐり抜けた。


 しかし、続いて第二の厚い壁があった。法の壁である。


 「訪問看護って何ですか。看護婦と家政婦ってどこが違うんですか。これは労働省の管轄ではないですか」、 「看護婦って、会社は作れないんじゃないかなあ。保健婦助産婦看護婦法というのはここにはありませんねえ。医師法にひっかかるんじゃないかなあ。厚生省に聞いてみましょうか」という登記官の言葉、「看護婦は施設から一歩外へ出たら法律的には家政婦と同じなのよ。今の法律の範囲で事を進めていくとしたら、あなたたちの所に医者を置くしかないわよ」という開所パーティ前日のどんでん返しの言葉、そして極めつけは、「前例がない。やめなさい」だった。


 看護婦の国家資格とは何なのか、理想と現実のギャップに、無性に腹立たしさと情けなさを感じた私は、そのとき思った。「医師の資格がほしい」と。


 「あなたのすることは10年早いわよ」


 確かにあれから10年どころか15年が過ぎている。しかし、私の目的は未だに達成されていない。看護の自立は、法によって明らかにはばまれている。‘医療法人’に匹敵する‘看護法人’はできないものか、無理を承知で、それでも真剣に考え、訴える日々が続いた。


 -保健婦助産婦看護婦法 第5条-

「看護婦は、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助をなすことを業務とする」


 -保健婦助産婦看護婦法 第37条-

「保健婦、助産婦、看護婦又は准看護婦は、主治の医師又は歯科医師の指示があった場合の外、診療機械を使用し、医薬品を授与し、又は医薬品について指示をなしその他医師若しくは歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずる虞のある行為をしてはならない。但し、臨時応急の手当をなすことは差し支えない」


 昭和23年に制定されたこれらの条項を、今の時代の流れの中でどう解釈すべきなのか、私の頭の中はその解釈のことでいっぱいになっていた。

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