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私は言いたい、今だから言える

  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:3 時間前

 「残しておきたい7人のコラム」から、村松静子さんの「起業家ナースのつぶやき」を紹介しています。今回は「私は言いたい、今だから言える」です。

vol. 9

私は言いたい、今だから言える

2002-1-10


 旅客機乗務員の「救急医療機器」の使用がやっと容認された。


 米国では米連邦航空局が国内航空会社に、2004年5月までに全機への除細動器搭載を義務づけた。日本航空の場合、過去8年間に機内で乗客の心肺停止は37例あり、このうち約7割は医師が偶然乗り合わせ、人工呼吸など行われたが、除細動器はなく、十分な措置ができなかった場合も少なくなかった。日本の航空会社に除細動器の搭載が遅れたのは、医療機器の使用は医師のみに許されるとされてきたからだ。


 医師の間では


『事故があった時の責任がはっきりしない限り、医師以外に使わせるべきではない』という意見と、


『救命で最も重要なのは最初の数分間で、その間に処置できるのは周囲にいる人だけだ。

 病院の医師が救命に果たせる役割は小さいと認識すべきだ』との意見に分かれる。 ― 読売新聞 ―


 もし私の家族が飛行機の中で倒れ、呼吸も脈も触れなくなったという知らせを受けたらどうするだろう。ICUや救急の場で、救急蘇生を幾度となく経験してきた私は声を大にして言うに違いない。


 『誰でも良い。どなたか私の家族を助けてください。

 機内には除細動器がないのですか。除細動器があれば助かるかもしれないのに。

 なぜないの? 見殺しにはしないでください。最後まで手をつくしてよ』と。


 私は在宅看護を実践するなかで、何度か、それらに関連した空しい感情を抱いたことがある。


 『痰がつまって、どうしても出せない。痰を引く器械はありませんか』


 助けを求める家族の声に、入社したばかりのスタッフが当然のように吸引器を持って駆けつけ、喀出できずにいた粘稠な痰を多量に吸引した。療養者は楽になり、家族からも感謝の言葉を受けた。


 しかし医師の反応は


 『あなたのところは医療行為を勝手にやって、それも医療器械を使っている。

  いつも法律違反をしているのかね』というものだった。


 私はスタッフ全体に今でも言っている。


 『医療器械は勝手に持ち出してはいけない。

  たとえ緊急事態でも、医師の許可を受けていなければ勝手には使ってはいけない。

  素手で勝負しなさい』と。しかし、本心は納得していない。


 人工呼吸器の作動を事細かに管理しているのがナースでありながら、それらはすべて医師の指示で行われていることになる。呼吸器の専門医の指示であれば納得できるし、当然のことと受けとれる。しかし実際には、在宅医療が推進される中で、医療器械や救急医療についての知識不足の医師が目立つ。そして残念なことに、それらの中にこそ権力を振りかざす医師がいる。


 私は、『緊急時の対応』が医師の資格を持つ人だけではなく、できる人すべてに許可されることを願いながら活動を続けてきた。しかし、法律は未だにそれを阻んでいる。時代に乗り遅れている。たかが看護婦、されど看護婦の私だ。


 種々の疑問が沸いているこの時期だからこそ、いろいろな角度から、改めて、医療の本来あるべき姿を探り直す必要があるのではないだろうか。

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