“在宅看護ヘルパー”という名称にこだわりながら
- 3月21日
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「残しておきたい7人のコラム」から、村松静子さんの「起業家ナースのつぶやき」を紹介しています。今回は「看護の自立をはばむもの その4-2」です。

vol. 14
看護の自立をはばむもの その4-2
2002-7-10
1986年、「これからはシルバー産業の時代になる。儲かるはず」とばかりナースやヘルパーを雇い、大風呂敷を広げる大企業が続出する中で、私にもできることがあった。どこにも負けないヘルパーを育成すること。『在宅看護ヘルパー育成プログラム』は、そんな中で誕生したのだった。看護一筋の私に、かすかに芽生え始めたビジネス感覚である。
ある日、 私たちの小さな事務所に‘日本における在宅看護はどうあるべきか’を研究しているという大手企業グループの担当男性3人がやってきた。その頃は、企業という言葉を聞くだけで背筋が寒くなる私だったが、その主旨には賛同した。「今最も感じているのは、私たちといっしょに動いてくれるヘルパーさんがほしいということなんです。在宅看護を充実させていくのはナースだけでは無理」という私に、「あなたたちと動けるそのヘルパーさんを教育してみませんか」と真顔で言う。そんなやり取りの中で、「私たちは慈善事業をしているわけではない。収入が得られないことはやりません」ズバリと言われたその言葉に、‘必要な時に’‘必要な看護を’‘必要なだけ’行う看護のボランティアには限界を感じていた私は思わずうなずいた。自分たちのことは自分たちで保障していく。事業は採算が合ってはじめて充実でき、拡大できる。事業を拡大すると、助かる人の数も幅も増える。
それからの私は、『在宅看護ヘルパー育成研修プログラム』作成に、ありったけの情熱を傾けて取り組んだ。生きた教育をめざして没頭した。
「基礎看護学概論Ⅰ」「介護哲学」「在宅看護ヘルパー論」「リハビリテーション基礎理論」「看護生理学概論」
「病態・解剖学概論」「患者・家族心理」「相談心理」「人間関係論」「コミュニケーション理論」「住居環境論」「職業倫理」「健康管理論」「病人食栄養」「在宅福祉事業」「カウンセリング」しめて計16科目200時間。
さらに実習についても、在宅療養の実態を感じ取ろうという「基礎実習Ⅰ」訪問看護の現状を知り、それを少し手伝ってみようという「基礎実習Ⅱ」、対象を受け持って実際に役務を担ってみようという「総合実習」、計100時間。
また、宿泊研修として行った「演習Ⅰ」では、レクリエーションを通して職業意識を高め、「演習Ⅱ」では問題解決方法とカウンセリングのあり方を理解することを目標とし、計40時間。
“在宅介護ヘルパー”ではない“在宅看護ヘルパー”という名称にこだわりながら進む私の活動は、明らかに看護の自立の方向へ向かっていた。



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