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ジャーナリストが「開業ナース」と命名

  • 53 分前
  • 読了時間: 6分

 スタッフの記事「開業ナース集団の活動があったから」です。今回は『IV、ジャーナリストからいただいた「開業ナース」の命名 その1』を紹介します。

Ⅳ、ジャーナリストからいただいた「開業ナース」の命名  その1


 活動を取材したあるジャーナリストが「開業ナース」と命名してくれた。在宅看護の実践をし、看護のプロとして、看護の起業家として、あらゆる機会にアピールを続けた。しかし看護の自立を阻む壁は厚く、それでもそれを乗り越えるべく必死で活動を続けた。しかし、根本的な問題は法律上のしばり、経営を安定させることの厳しさ等まだ何も解決できていない。


 しかし、其の活動実積は社会に一石を投ずることには役立った。


 そしてさらなる活動は実践のみでなく、独自のプログラムによる教育、研究と内容を深めつつ、諸外国の在宅看護事情にも目を向け、日本にあった在宅看護システムを模索し続けた。


11、「医と法の対話」1992年 法学教室 8月号

・ 医学の立場から 村松静子(一部抜粋)


疑問が残る現行法


 在宅療養の推進は、国の重要施策にもなっている。しかし、現状のままの法律ではその限界が明らかである。


 難病患者を抱えた家族は言う。


 「家族だけではとても看病しきれない。ボランティアの方やヘルパーさんたちにも吸引や吸入を手伝ってもらわなければ……法律上無理といっても現実にはそんなこといってられないんですよ」


 病院では治療・処置として行われた行為でも、各家庭で引き続き行うのであれば、それらはすべて医療行為とされるなら、常に医師の目が行き届く病院のみで行われなければならないことになる。当然、看護婦による在宅看護の場合にも同様のことがいえる。


 医師の包括的指示は看護内容も含めた具体的指示とすべきであり、医師は24時間常に対応できる体制をつくる必要があるだろう。


 現行法には多くの疑問が残るところである。

・ 法学の立場から 北海道大学助教授 江口隆裕氏(一部抜粋)


在宅看護と医師の指示


 保健婦助産婦看護婦法上、看護婦の行う業務は「診療の補助」と「療養上の世話」に区分されており、前者については医師の指示が必要であるが、後者についてはこれを不要と解されている。老人訪問看護事業の定義は、寝たきり又はこれに準ずる状態にある老人に対し「療養上の世話又は必要な診療の補助」を行うこととされていることから、保助看法と同様の考えに基づくものと解される。実際の在宅看護の場面では療養上の世話との区分が、第二には、医師の指示の程度が問題となる。


 第一の点については、診療の補助とは、医師法により医業が医師の業務独占とされていることとの関連で、本来医師が行うべき行為であるが医師の指示があれば看護婦でも行い得るとされるものであり、その具体的な範囲は当該行為が医師によって行われるので無ければ人体に気概を及ぼし、又は及ぼす恐れがあるかどうかによって決定されることになる。


 しかし、ある行為の危険性の程度は、医学医術の進歩や更には当該行為が行われる場所、状況等によって異なり得るものであり、特に訪問看護の場合には、看護婦が単独で在宅において行為を行うこととなるため、診療の補助に該当するかどうかについては、病院内でのそれよりもより慎重な判断が求められよう。このことは、第二の問題点、すなわち医師の指示の程度とも密接に関連してくる。老人訪問看護制度では、老人訪問看護が「老人訪問看護指示書」すなわち主治医の指示に基づき行われることが求められているが、その指示程度については必ずしも明確にされてはいない。在宅看護の特殊性に鑑みれば、村松さんの指摘にあるように医師のより具体的な指示が必要とされることも少なくない反面、状況によってはある程度包括的な支持で足りることもあろうと思われる。「看護婦等は、利用者の病状及び心身の状態に応じて適切な指定老人訪問看護を行うため、主治医との密接な連携を図らなければならない」(指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準17条)ことは当然として、具体的にはどのような場合にどの程度具体的な医師の指示が必要かが明らかにされなければならない。


 医学の立場からと法学の立場から10年前にされた問題提起は、在宅というフイールドだからこそより明らかになった看護の法律上の問題点である。


 センターの活動を首賭け状態の綱渡りのような活動と評する人があった。


 当初は違法行為とまで批判をされたこともある。


 根本的には医師の指示との関係であり、そのことを村松・江口氏は明確に指摘している。


 看護と介護の関係においても、サービスの総合化、各々のサービス間の連携の必要性はいうまでもないが、各職種の専門性や独自性をあいまいにしたままでは、具体的・実効的サービスの成果にはつながらないと考える。


 現状の問題は、深刻さを増すばかりであるが根本的な法改正への道のりはまだまだ遠く、根本的にはまだ何も着手されてはいない。


13、「開業ナースが医療を変える」 1993年毎日グラフ9.20(取材記事より一部抜粋)


ケアの時代のプロフェショナル

日本初 訪問看護会社の3ヶ月

医療の場におけるナースのアイデンティテイを探る


 在宅看護に欠かせない患者宅での深夜勤務。ターミナルの患者等の24時間付添いの場合。担当者は一時期病院並の夜勤体制に突入。たとえば夜の11時から朝9時といった長時間・患者宅につめることになる。

報酬に恥じない実践がナースの専門性を築くことはいうまでもなく、ナースはプロだ。


 だが、現実には雑用が多く専門職には程遠い。しかも、雑用も専門技術も全くの等価なのだ。社会の側にも「看護はタダ」という意識がまだ根強い。日本には基準看護というシステムがある。

病院のベッド数に対するナースの数によって特3類、特2類などに分類され、それに応じて看護料の保険点数が加算される仕組みだ。


 ナースの頭数で決まる。極めて即物的な料金体系である。ケアの質や技術には全く関係ない。したがって、同社がサービス形態によって価格を設定したのは、ある意味で画期的なことなのである。看護も介護も目指すところは同じ。患者本来の生活をいかにサポートするかその1点に尽きる。現在の医療に最も欠けている視点だ。彼女たちの取り組みは、病院そして日本の医療に対するアンチテーゼとなっているように思えてならない。


 奇しくも同社が設立された今年4月1日は、同社の 前身 在宅看護研究センターをモデルにした「老人訪問看護ステーション制度」施行の日。


 この制度の歴史的意味はナースが独立して行う業務に保険適用が認められたことである。現段階では個人や株式会社は認定対象になっていないが、解釈にはかなりの含みを持たせて得ることも事実。開業ナースの可能性は大きく広がったのだ。

在宅看護研究センター5周年記念シンポジウム  朝日ホール

「在宅看護を語り合う」


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