自分の気持ちに素直に生きよう
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「残しておきたい7人のコラム」から、村松静子さんの「起業家ナースのつぶやき」を紹介しています。今回は『安比高原の女(ひと)』です。

vol.35
安比高原の女(ひと)
2004-08-26
目的地だけを決めて旅立つ旅もまたいいものである。
旅の情報誌のなかのキャッチフレーズをもとに宿泊先を選ぶ。拘束されずに、行き当たりバッタリで行動する旅、そんな旅には一味違った出会いがある。安比の女(ひと)は突然の電話にも心地よく応対し、真っ赤なウインドウブレーカーを身にまとって、無人駅に立ち下りた初めての客を満面の笑顔で手を振って出迎える。そして、自ら運転してホテルへの道案内をする。そこには安比の女(ひと)ならではの親しみが満ち溢れている。そんな女(ひと)の姿に惹かれ、客は宿泊への不安が薄れて窓の外の景色を楽しむことができる。出会いとは不思議なものである。
安比の女(ひと)が切り盛りする「リゾートインブローディア」には、そのこだわりが随所に滲み出ている。昭和22年秋田生まれの東京育ち。家族でのスキー旅行で安比と出会い、安比の自然のあまりの素晴らしさに惹かれ、夫と別居してでも移り住みたいとすぐさま思い、決心した。そして、住み着いてしまったのだと言う。二人の子供も安比の自然の中ですくすく育ち、その時からすでに15年の月日が流れた。夫は他地で仕事に精を出し、月に数度訪れては、男ならではの大工仕事に一日中汗を流す。将来は二人で、気温の穏やかな沖縄に住み、のんびりと過ごしたいという熱々夫婦の生き方がそこに映る。
安比の女(ひと)に惹きつけられるその源は、一人の女として、自分の思いを失わず、自分らしく生きていこうとするその姿であり、そこで必要となる一つひとつのことに熱中して取り組み、楽しんでいるその心である。
自宅農園で作った新鮮野菜は、料理の一つひとつに、そのまごころが詰まっている。熱いものは暑く、冷たいものは冷たく、色合いも、バランスもすべて整っている。よそわれる器も、それらにしっかりマッチして、絶妙な味を出す。室内に備えられた置物や壁掛け、植物、そこにも安比の女(ひと)のこだわりがあり、部屋全体が心地よい。愛娘とのコンビ、愛犬たちとの生活もまた、その魅力になっている。「リゾートインブローディア」の周辺の緑はもちろん、花々もまた客の心を癒してくれる。
一度は安比高原へ足を運んで、安比の女(ひと)に会ってみるのもいいかもしれない。
安比の女(ひと)の自分の気持ちに素直に生きようとする姿は、実に人間らしい。



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