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「看護婦さん」なら何でも聞くことができる

  • 7月25日
  • 読了時間: 3分

 残しておきたい7人のコラム」から、安藤武士さんの「医師として、武士として」を紹介します。今回は「職名」です。


vol.8

職名

2003-3-14


 昨年、法が改正され「看護婦」という職名が「看護師」になった。改正に反対する訳でないが、小生にとっては「看護婦さん」という方が「温もり」があって良い。声を出してみると響きが違う。学校の「せんせい」と「教師」、「教員」と同じように、という小文を以前のコラム(Vol.6)に寄せた。


 先日、ある新聞のコラムに「看護婦」と「看護師」では同じ職業でも患者にとってはかなり違うと記されていた。無論、そのコラムニストも「法」が改正されたことに反対しているのではない。-「看護師」という職名は、高度の専門職であることがより明確に示されているので喜ばしいことである-と断りながらも、「看護師さん」には医療・看護の専門的なことを尋ねることは出来ても、こんなことを聞いたら笑われるのではないかと構えてしまい些細なことが聞けない。「看護婦さん」なら何でも聞くことができる。今でも、「あの~、看護婦さん」と「看護師さん」に声をかけているという。


 現在、書類、メディアはすべて「看護師」となっているが、医療の現場では「看護婦さん」と言われている方が圧倒的に多い。「不慣れ」なことだけではないようである。いずれは「看護師さん」になるであろう。


 英語で「看護に携わる人」の職名はNurse:ナース であることは、日本人、誰でも知っている。辞書には「看護婦」、「看護人」と記されている。「看護師」という職名には「性」が無く、女性と男性が含まれるが、英語では女性の看護人をNurse(看護婦)、男性の看護人をa male nurse(看護士)という。「看護師」と言う語句は英語にはないようである。英語圏の病院で、Nurse !と叫ぶと、「看護婦さん」が飛んでくると辞書に載っている。


 小生の職名である。30数年前、当時の厚生省から「医師免許証」を交付された。免許証に「医師」と記載されているので、法的には「医師」が職名である。「医師」は、「医者」「お医者さん」「医家」とも言われる。「医師」は硬苦しく、「医者」「お医者さん」はくだけた感じを受ける。「医家」は文章語である。個人的には、周囲の方からは「先生」と呼ばれることが多い。手元の辞典で「先生」を引くと(1)師として教える人、(2)学芸に優れた人、(3)教員・医師・文士・議員などを尊敬して呼ぶ語、と記されている。「医師」を、なぜ「先生」と呼ぶようになったかわからない。幼なじみの友人に、そんなことを調べていると気取って言ったら、尊敬語として使っているのではない、「医師」と同じ意味で使っているだけと言われ、顔が赤くなった。


 医療雑誌に「名医」「良医」の違いが記されていた。「名医」は人間性が良いことは必ずしも要求されないが医療技術が優れている医師のことを、「良医」は医学知識が優れていなくとも人間性が良い医師のことを指すと言う。外科医は前者が、内科医は後者が望ましいと解説されていた。小生は、「良医」と言われることを望外の喜びとするが、30数年来、外科医であったので複雑な気持ちでいる。


 「やぶ医者」という言葉があるのを忘れていた。「やぶい」「やぶ」ともいう。意味は分かるが、来歴がわからない。小生には、関係がないと思っているので調べいないことにしている。

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